インターネットを使った電子メールと同じように、よく使われているのが、携帯電話を利用した電子メール「携帯メール」です。
インターネットを経由して、メールソフトから携帯電話へメールを送ったり、その逆を行ったりなど、現在では普通に送受信が行われています。
ユーザーから見ると、どちらも同じメールのように思われますが、両者には、かなりの違いがあります。
ここでは、携帯メールとインターネットを使った電子メールの違いなどを簡単に説明します。
携帯メールとインターネットを使った電子メールの大きな違いは、使用するプロトコル(通信の決まりごと)と扱うデータのフォーマットです。
もともと、携帯メールは、携帯電話同士でメールをやり取りすることを前提に考えられています。
そのため、使用するプロトコルやデータフォーマットは、携帯電話事業者が独自に定めている場合が多く、インターネットを使った電子メールとの互換性はあまりありません。
このままでは、相互にメールのやり取りを行うことが出来ないので、携帯電話事業者側が、インターネットとの境界に「ゲートウェイ」と呼ばれる装置を設置し、プロトコルやフォーマットの変換をしています。
上図のような流れで、現在は相互にメールのやり取りが可能です。
一つ大事な点は、フォーマットやプロトコルの変換処理を行っているということです。
もともとは、異なるフォーマットやプロトコルを使っている、全く別のメールシステムであると言えるので、相互通信では様々な制限が出来てきます。
よくある現象などについては、次の項で述べたいと思います。
携帯メールとインターネットを使用した電子メールでメールを送受信する場合に、気を付けなければならない点を述べます。
基本的なことばかりですが、知識として覚えておけば役立つと思います。
携帯電話を利用してメールを作成する場合、絵文字を使うことは、ごく一般的になっています。
しかし、この絵文字は、携帯電話事業者側で独自に割当てた文字コードを使っているので、他の携帯電話事業者にメールを送る場合や、メールがインターネットを経由する場合には、相手に正しく表示されない可能性があります。
DoCoMoの携帯電話から絵文字を送った場合は下図のようになります。。
上図のようになるのは、携帯電話事業者の「ゲートウェイ」で、絵文字が変換されたからです。
インターネットを経由した場合に無効となる絵文字を、事前に変換してからインターネット上に送り出しているため、上図のようなメールが届くことになります。
絵文字の扱いは、携帯メールサービスによって違います。
各携帯メールサービスのサポート情報などに詳細な説明があると思います。
上記の絵文字とは逆に、パソコンのメールソフトなどから携帯電話にメールを送る場合の注意点です。
携帯メールでは、1メールあたりの本文の文字数(バイト数)が制限されている場合があります。
250文字の制限がある携帯メールサービスに、250文字以上のメールをインターネット経由で送ると下図のようになります。
この文字数制限で注意しなければならないことは、メールソフトを使って送信した側には、メールの一部を切り捨てられたことが伝わらないことです。
送信した側は、本文が全て相手に送られているものと思い込んでしまいます。
文字数をオーバーしたメールがインターネット経由で届いた場合は、携帯電話で受信した側が送信者に教えてあげなければなりません。
この文字数制限についても、携帯メールサービスによって内容が異なります。
各携帯メールサービスのサポート情報などに詳細な説明があると思います。
電子メールで添付ファイルを利用することは、ごく一般的です。
しかし、携帯メールでは添付ファイルをサポートしていない場合も多くあります。
添付ファイルをサポートしていない携帯メールサービスへ、添付ファイルの付いたメールを送ると下図のようになります。
添付ファイルをサポートしている携帯メールサービスでも、添付ファイルのサイズや、ファイルの種類で制限がある場合があります。
添付ファイルの扱いも、携帯メールサービスによって内容が異なります。
各携帯メールサービスのサポート情報などに詳細な説明があると思います。
以上、よくあるケースを三つ取り上げました。
これらの現象は、携帯メールとインターネットを使用した電子メールでは、メールフォーマットが異なることに起因していると考えてよいと思います。
ゲートウェイによるフォーマットの変換時に、携帯メールサービス側でサポートしていない形式の部分は、基本的に切り捨てられることになります。
携帯メールとインターネットを使用した電子メールで、確実にメールをやり取りするためには、テキストのみのメールを送信するように心掛けた方が無難だと思います。
以上で、携帯メールに関する説明は終わりです。
携帯メールとインターネットを使用した電子メールの連携は、現在進行中です。
上記の問題点なども徐々に改善されてきているようです。