メール標準フォーマットとMIME

メールフォーマットの概要では、メールの中身がどのような構成になっているかを説明しました。
しかし、実際に使われるデータ形式については触れませんでした。
ここでは、メールフォーマットで使われるデータ形式と、その拡張技術である「MIME」について、簡単に説明したいと思います。

メール標準フォーマットとMIMEによる変換処理

メールで使われる標準のフォーマットでは、「7ビットASCIIコード」と呼ばれる文字コードを使用することになっています。
具体的には、0〜9までの数字、アルファベットの大文字、小文字(半角)、一部の記号を使うことが出来ます。

7ビットASCIIコード

!"#$%&'()*+,-./0123456789:;<=>?@ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ[\]^_`abcdefghijklmnopqrstuvwxyz{|}~

この文字コードを使うことが標準となっているのは、もともと電子メールは、英語のテキスト文書を送ることを前提に考えられた仕組みであるからです。
上記の文字コードのみを扱うようにすることで、メールに使用するソフトなどをシンプルなものにすることが出来ます。

しかし、このままでは、日本語など、7ビットASCIIコード以外の文字コードで書かれた文書を扱うことが出来ません。
そこで考えられたのが、様々な言語で書かれた文書や、画像などテキスト以外の文書を、7ビットASCIIコードに変換する方法です。
メールソフトで変換処理を行ってからメールを送信し、受信した側で元のデータに復元することが出来れば、経由するメールサーバーの仕組みなどを大きく変更することなく、様々なデータをメールでやり取りできます。

変換処理を行うことで、メールで扱えるデータを拡張できる

この方法を使う場合、クリアしなければならないことがあります。
それは、データの変換処理方法を相手に伝えることです。
データがどのように変換されているかが分からなければ、相手側で元のデータを復元することが出来ません。
相手側にデータの変換処理方法などを伝える方法として、「MIME」と呼ばれる仕組みが使われます。

MIMEでは、標準的な変換方式や、使用した変換方式を相手に伝える方法が定められています。
MIMEを使用して送られたメールには、使用されている文字コード、テキスト以外のデータ形式と行った変換処理方法などの情報が書き込まれます。
メールを受信した側は、その情報をもとに日本語文書や画像ファイルを復元させることが出来ます。

また、メールフォーマットの概要で説明した、本体メッセージ部分に複数のパートがある場合(マルチパート)の区切り文なども、MIMEで伝えられます。

MIMEは、メールの仕組みの中で非常に重要な役割を果たしていますが、ユーザーがこの仕組みを意識することはほとんどありません。
それは、現在使用されているメールソフトの多くがMIMEをサポートし、特別な設定をしなくてもこの仕組みを利用できるからです。

以上で、メール標準フォーマットとMIMEの説明は終わりです。
現在のメールを取り巻く環境では、上記のようなことを意識する必要は無いかもしれませんが、知識として覚えておくと良いと思います。

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