メールヘッダー

メールフォーマットの概要で、メールには「ヘッダー」と呼ばれる部分があることを説明しました。
ヘッダー部分には、送信元の情報や、経由したメールサーバーの情報が含まれています。
ここでは、メールヘッダーの内容について、例をあげながら簡単に説明したいと思います。

メールヘッダーの内容

まず、メールヘッダーの内容がどのようなものか、以下に例を示します。
(このページで説明する部分を抜粋した例です。)

Received: from smtp.mail.example.ne.jp ([192.0.2.254])
    by mta.example.ne.jp with SMTP id 5566aa7788
    for <userbbb@mail.example.ne.jp>; Mon, 19 Jun 2006 23:00:04 +0900
Received: from hostname([192.0.2.1])
    by smtp.mail.example.ne.jp with SMTP; 19 Jun 2006 23:00:02 +0900
Message-ID: <200606192300.a1b2c3d4e56789@hostname>
From: "user name" <useraaa@mail.example.ne.jp>
To: <userbbb@mail.example.ne.jp>
Subject: =?iso-2022-jp?B?GyRCJWEhPCVrQXc8dT8uJUYlOSVIGyhC?=
Date: Mon, 19 Jun 2006 23:00:00 +0900
MIME-Version: 1.0
Content-Type: text/plain;
             charset="iso-2022-jp"
X-Mailer: Microsoft Outlook Express 6.00

上記メールヘッダーの例を見ると、ヘッダーの内容には様々な情報が含まれていることが分かると思います。
ヘッダー内の情報は、「フィールド」と呼ばれる項目に分かれています。
各フィールドは、「フィールド名 : 値」という形式で書き込まれています。
各フィールドの情報について、上記の例をもとに説明したいと思います。

Received: from smtp.mail.example.ne.jp ([192.0.2.254])
    by mta.example.ne.jp with SMTP id 5566aa7788
    for <userbbb@mail.example.ne.jp>; Mon, 19 Jun 2006 23:00:04 +0900
Received: from hostname([192.0.2.1])
    by smtp.mail.example.ne.jp with SMTP; 19 Jun 2006 23:00:02 +0900

「Received」フィールドは、メールが経由したメールサーバーによって書き込まれる情報です。
フィールド内にも複数の項目があります。
内容は以下のようになっています。
from : 情報を書き込んだメールサーバーにメールを送信した相手(送信元)のホスト名やIPアドレス
by : 情報を書き込んだメールサーバーのホスト名
for : あて先のメールアドレス
また、タイムスタンプで分かるとおり、Receivedフィールドは新しい情報が上に表示されるようになっています。
メールの経路を考える時は、下から順に情報を見ていきます。
上記の例で言うと、ホスト名「hostname」から送信されたメールは、ホスト名「smtp.mail.example.ne.jp」を経由し、ホスト名「mta.example.ne.jp」に届いたと考えることが出来ます。

Message-ID: <200606192300.a1b2c3d4e56789@hostname>

「Message-ID」フィールドには、メッセージを識別するための情報が、メールソフトなどによって自動的に書き込まれます。
ユーザーは、あまり意識する必要がありません。

From: "user name" <useraaa@mail.example.ne.jp>

「From」フィールドは、メールの送信元に関する情報です。
送信者のメールソフトなどで設定されている、名前やメールアドレスが書き込まれます。

To: <userbbb@mail.example.ne.jp>

「To」フィールドは、メールのあて先に関する情報です。
メール作成時に「宛先」として入力したメールアドレスなどが書き込まれます。

Subject: =?iso-2022-jp?B?GyRCJWEhPCVrQXc8dT8uJUYlOSVIGyhC?=

「Subject」フィールドは、メールの「件名」です。
メールの件名に日本語などを使用した場合は、文字コードの変換情報と、変換された値が書き込まれます。

Date: Mon, 19 Jun 2006 23:00:00 +0900

「Date」フィールドは、メールが作成された日時です。

MIME-Version: 1.0
Content-Type: text/plain;
             charset="iso-2022-jp"

「MIME」に関する情報です。
上記の例では、使用しているバージョン、データの種類、文字コードの変換に関する情報が書き込まれています。

X-Mailer: Microsoft Outlook Express 6.00

メール作成に使用したメールソフトの名前とバージョンの情報です。

以上で、メールヘッダーの基本的な内容についての説明は終わりです。
ヘッダーの内容で覚えておきたいことは、Receivedフィールドはメールサーバー側で、それ以外のほとんどの部分はメールソフト側で作成しているということです。
メールソフト側で作成している部分は、メールの送信者が簡単に変更することが可能です。
迷惑メールなどでは、それらの情報が正しくない場合も多いので、ヘッダーの情報を過信しないように注意した方が良いと思います。

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